店舗併設の住宅
2002年12月
山梨県北杜市
151坪
木造W
地上2階/地下/小屋裏収納
22坪
44坪
夫婦+子供1人
Story
建築条件付の土地を買った施主は、私のところを訪ねてくる前の6ヶ月間、不動産屋から紹介された工務店と打ち合わせていたが、どうにも自分の意思が反映されないことに苛立ち、痺れを切らしてとうとう私のところにやって来たのは2001年暮れのことだった。
工務店や住宅メーカーも一応設計らしきことはするが、それは最終的に工事を受注するための営業活動の一環であって設計が主たる業務ではない。施主がようやくそのことに気付くのに半年を要したことになる。
このことがあったすぐ後に私は地中海に面した南フランスの地に視察のために旅立った。
帰路の途中でアイルランドに寄って本場のアイリッシュ・パブを経験してきたことは大いに役立った。
GUINNESS黒ビールを純然と楽しむために計画された店舗で、料理と庭を提供している。本国のアイリッシュ・パブは街中にあることが多いので、このような広い庭をもっていることは稀だ。
隣接する身内の別荘と同時に2軒設計した稀な例で、景観がよくまとまっている。

若いオーナーの予算配分に何とか現場を合わせて進行したプロジェクトだったと記憶している。客席と厨房の配置を何度も検討し直し10案目にやっと基本プラン合意に至った。地下にビール樽をストックするセラーを工夫してあり
繁盛店を作る秘訣は作り手のちょっとした采配の積み重ねだと思った。
居住部分は単純に上に積み重ねて広めのワンルームとしてあり、さらにその上には小屋裏利用の大きな収納を作ってある。外壁はドイツ壁にも似た意匠で、モルタルを大きな塊で塗ってから頭を抑え、その上から吹き付けで塗装した。内部の壁は小さなコテでランダムの模様を細かく制作してからローラーで塗装を施した。
最近地元の行事で偶然に施主婦人とお会いして話す機会があったのだが、「大変暖かい家で、暖房光熱費が安くて助かっている」というありがたいお言葉を頂いたばかりだ。外壁に高性能な断熱構造パネルを使ったことが功を奏したのだと思う。

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